どんなポジションでも対応できる選手が日本代表 〈男子日本代表 小野 龍猛選手〉

ono160629a

 日本代表に必要な素質として、バスケットボールIQの高さが挙げられる。ヘッドコーチが求めることをすぐさまコート上で表現できなければならず、極めて短い準備期間で結果を出さねばいけない。リーグ戦とは異なり、対戦相手の情報は毎回少ない。スカウティングを行いながら準備をしているものの、実際に対峙すると想像と違う場合も多く、即座に対応できる力も不可欠である。

「バスケの上手さとともに、ずる賢さがある。今年は得点を取るよりも、ゲームの中でうまくパスをつないでシューター陣を生かすプレイをしてもらいたい。なかなか大きい選手でパスをアウトサイドにさばける選手は少なく、それが上手い選手」と、長谷川 健志ヘッドコーチは小野 龍猛選手の選出理由について語った。バスケットボールIQ高き賢いプレイヤーであるとともに、ずるさを兼ね備えている。

 3Pシュートもある197cmの小野選手は、100kgの体格を持ち合わせているのでインサイドも強い。本職はスモールフォワードだが、パワーフォワードも任せられている。中国遠征では、「展開を早くするためにもパスをさばいて欲しい」と長谷川ヘッドコーチに託され、そつなく遂行したことで最終メンバーに選出された。

「自分はコーチに求められたことをできるとは思っています。日本代表選手であれば、みんなが所属チームの役割とは違ったプレイもしなければならず、それを対応できる選手が日本代表です。自分にとっても、そこがストロングポイントです」

 12名しかいない日本代表にとって、2つや3つのポジションを兼務するのは当然であり、そこを長所に挙げる賢い選手だ。
ono160629b

 今年はNBLのシーズンが6月頭まで続く長丁場であったため、「FIBA男子オリンピック世界最終予選」が7月4日(月)から始まることも相まって、本格的に強化活動をできた期間は1ヶ月もない。

「準備が本当に短期間なので、いかにチームをまとめられるかがポイントになってきます。まとまらなければ終わるし、チームとして崩壊する。でも、まとまることができれば強いチームになる。その差だと思っているので12名が決まったからこそ、チーム一丸となってまとめていかなければ勝つことはできません。“超ハードワーク”をして、日本の良さを出していくだけですが、これまでずっと課題だったところでもあり、しっかり乗り越えていきたいです」

 不安に思う一方、昨年のメンバーから2人が入れ替わっただけ。渡邊 雄太選手以外は、一昨年前のアジア競技大会で銅メダル獲得メンバーである竹内 公輔選手と辻 直人選手が戻ってきた。「短期間でも何とかなる」と昨年のキャプテンのコメントは心強い。

 今年は最年長の田臥 勇太選手がキャプテンを任されたが、これまでと変わらず小野選手をはじめとした全ての選手がリーダーシップを発揮しており、そこが今の日本代表の強みでもある。

「流れが悪ければコート内ではハドルを組み、ベンチからも声を出したり、声がけは本当に大事であり、それをすることでチームが一つになる。一人でもはぐれてしまえばチームとして成立せず、大きな歯車にならなければ勝つことはできない。そこが噛み合う12名であり、それぞれがリーダーシップを持っていることがこのチームの良さです。しっかり歯車を回していくのがリーダーシップ。この3年間、どの大会もメンバーは違いますが、歯車を回すことができたからこそ結果を出すことができました。今回は短期間だけど、それでも同じことができるメンバーを長谷川さんは揃えたと思うので、何も心配はしていません」

 長谷川ヘッドコーチが日本代表を率いて今年で3年目を迎える。築き上げた歯車はすでに大きい。短い準備期間で整備し、しっかり回すことさえできれば、自ずと結果もついてくるはずだ。

「今年は本当のプロフェッショナルとなるBリーグが始まります。プロ選手たちがこれまでの考え方を変えて、しっかり取り組めばバスケットは良い方向に向かい、注目も浴びると思っています。Bリーグを引っ張って行くのが日本代表に選ばれた選手たちであり、今後のバスケ界を引っ張っていきたいという思いはみんな強いです」

 日本代表の活躍が、9月22日より開幕するBリーグの盛り上がりに拍車がかかる。様々な期待と責任を背負った12名だが、その背中をBリーグの仲間たちにも押していただきたい。

ono160629c

小野 龍猛

  • 1988年1月6日生
  • 197cm/100kg/スモールフォワード
  • 東京都出身
  • 國學院大学久我山高校~中央大学~トヨタ自動車アルバルク(JBL)~千葉ジェッツ
  • 平成28年度男子日本代表選手 (FIBA男子オリンピック世界最終予選)
  • 平成27年度男子日本代表選手 (第28回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成26年度男子日本代表選手 (第17回アジア競技大会 出場)
  • 平成23年度男子ユニバーシアード日本代表選手 (第26回ユニバーシアード競技大会 出場)
  • 平成19年度男子ユニバーシアード日本代表選手 (第24回ユニバーシアード競技大会 出場)