帰化枠の狭き門への挑戦 〈男子日本代表候補 重点強化選手 ファイ サンバ選手/滋賀レイクスターズ〉

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 FIBAの国際大会に臨む日本代表は12名だが、外国籍から日本国籍を取得した帰化選手は1人しか認められていない。今年8月、アメリカ出身のアイラ・ブラウン選手(サンロッカーズ渋谷)は帰化申請が下りたことで日本代表に初選出され、9月にはイラン・テヘランで開催された「2016 FIBA ASIA チャレンジ」に出場した。豪快なダンクシュートと明るいキャラクターでアカツキファイブを引っ張っている。

 新体制となった12月、68名の重点強化選手が発表された。そのうち帰化選手は3名いる。ブラウン選手の他に、ともにセネガル出身の坂本 ジェイ選手(仙台89ERS)と初選出のファイ サンバ選手(滋賀レイクスターズ)だ。

帰化選手の1枠を目指して競争するファイ サンバ選手
帰化選手の1枠を目指して競争するファイ サンバ選手

 
 Bリーグにおいても、オンザコート1の時間帯に外国籍選手と一緒にコートに立つことができ、プレイタイムが増えるとともに、チームにとっても大きな戦力となる。国籍を変える決断した時点で、日本代表も視野に入れている場合も多い。しかし最初に述べたとおり、帰化選手枠は1人分しかない。「それも分かった上で参加しています」とサンバ選手は狭き門に挑む。
「アイラ(ブラウン選手)もチャンプ(坂本ジェイ選手の愛称)もライバルとして競争しないといけない相手です。もし最終的に選ばれなかったとしても、日本代表合宿の最高レベルを学べているので、いつか日本代表に呼ばれた時にすぐに対応できるように継続していかなければいけないと思っています」

 ルカ・パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーから習うことは新しいことばかりではなく、「一つひとつのドリルの意味や連携することの大事さを感じました」と基礎の大切さを再発見する機会にもなった。
「ポストに対する守り方や、ピック&ロールのディフェンスも全てが勉強になりました。オフェンス面で、外のシュートをもっと磨かないといけないのは分かっていたことでもあるので、全てを向上させなければいけません。フロアバランスを意識してプレイすることもルカコーチには言われているので、ただ走るのではなく、しっかりとコースを考えて走るようにしたいです。これから毎日、ここで学んだことを意識して磨いていきたいです」

 重点強化合宿ではパヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザーの下、世界レベルへスタンダードを引き上げるための指導を受けた。Bリーグ各クラブから最低1名ずつが選出されており、その中でもサンバ選手が所属する滋賀レイクスターズからは、並里 成選手ととも2人で参加している。この合宿で得た高いレベルのスタンダードを各クラブへ持ち帰り、伝搬することも重点強化選手たちの役目でもある。
「(並里)成のことは高校の時から知ってましたが、これまで一緒にプレイしたことがなく、まだチームに合流したばかりだったので彼の動きやどう合わせば良いか研究しているところでした。ここで一緒に練習できたことで、チームに良い還元ができると思うし、しっかり持って帰ってものにしなければいけないです」

 第1回重点強化合宿①が行われた12月13日(火)現在、西地区最下位の滋賀。練習中には、ガードの並里選手とのピック&ロールで打開する術を徹底しており、早速Bリーグのゲームで生かして勝利を目指す。

 あらためて、日本代表ウェアを着て合宿に参加できたことに対し、「このメンバーに入れたことを誇りに思っています。自分にとっても、もっと頑張ってやらないといけないと自覚しています。最終的に日本代表に選ばれた時には、コーチの期待に応えたいという強い気持ちが沸いています」と力を込めた。帰化を取得するには、日本語の勉強や書類作成、度重なる面接などを経なければならない。しかも、帰化の申請が下りるかどうかも分からない。長く待たされた状況を乗り越え、ようやくスタートラインに立つことができ、固い決意で日の丸を目指す。

ファイ サンバ選手のチームメイトである並里 成選手も一緒に合宿に参加
ファイ サンバ選手のチームメイトである並里 成選手も一緒に合宿に参加

 
【関連リンク】
・バスケットボール男子日本代表チーム 日本代表候補 重点強化選手および第1回重点強化合宿 参加メンバー発表
・バスケットボール男子日本代表チーム 第1回重点強化合宿① 開催報告(2016年12月11日~13日)
・[インタビュー]覚悟を決め、避けては通れない成長のための挑戦 〈男子日本代表 ルカ・パヴィチェヴィッチ テクニカルアドバイザー〉