相手が強ければ強いほど燃えます 〈男子日本代表候補 比江島 慎選手〉

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 昨年、アジア4位となって「FIBA男子オリンピック世界最終予選」への出場権を獲得した。2012年、青山学院大学で活躍していた当時から日本代表に選出されてきた比江島 慎選手。「現状で、チャンスメイクできるのは比江島だけ」と、長谷川 健志ヘッドコーチを唸らせる逸材であり、田臥 勇太選手(リンク栃木ブレックス)、竹内 譲次選手(日立サンロッカーズ東京)の大黒柱に支えられながら、日本のエースとして頭角を現した。

 FIBA ASIA選手権での最初の2試合は、ポイントガードとしてゲームメイクすることに集中しすぎたために、持ち味を発揮できずにいた。しかし、インド戦で19点を挙げると、翌日の勝負を懸けたパレスチナ戦からポイントゲッターとなり、水を得た魚の如く本来の力を発揮する。準々決勝カタール戦では17点を挙げ、「FIBA男子オリンピック世界最終予選」の出場権獲得に大きく貢献した。準決勝フィリピン戦は28点を挙げたが、70-81でチームを勝たせることができずに涙を見せた。3位決定戦のイラン戦は15点を挙げるも63-68と惜敗。しかし、前回王者を最後まで苦しめたことは自信となっている。

2人のマークを振り切ってゴールを決める
2人のマークを振り切ってゴールを決める

「長谷川さんが自分を中心に使ってくれたので、そういう意識はありました。またメンバーが入れ替われば、今後は変わるかも知れないですが、やれるという自信はついたので、これからもその意識は持ち続けたいです。これから自分も全盛期に入ってくるので、しっかり意識をして取り組んでいきたいです」
”そういう意識”や“その意識”とは、エースとしての自覚を指す。竹内選手は「若い選手、特に比江島が成長したことで、今後の日本代表も明るい兆しが僕だけではなく、日本のファンの皆さんにも見えたのではないか」と称える。自他共に認める日本代表のエースへ覚醒した瞬間でもあった。

 「FIBA男子オリンピック世界最終予選」の出場が決まった瞬間から、「フランスやカナダなど、自分はNBAが好きなのでその選手たちと試合ができると思うと、楽しみでもあり待ち遠しいです。自分がどこまで通用するのか試してみたいという思いが本当に強いです」とその対戦を心待ちにしている。

 既に組み合わせは決まっており、チェコ、ラトビアと予選ラウンドを戦い、上位2チームに入ると、セルビア、アンゴラ、プエルトリコのグループで勝ち残ったチームと争い、1枠しかないリオデジャネイロ・オリンピックの出場権獲得を目指す。比江島選手が挙げたチームは別グループとなったが、フランスから練習試合が調整されており、大会直前に実現しそうだ。

「フランスとの対戦で、新たに自分の中で何かが変われば良いと思っています。また違う自分が出てきてくれれば良いと思うとワクワクしかなく、本当に楽しみです」と顔をほころばせていた。
情報戦が繰り広げられる近年のバスケット界において、今後は徹底的にマークされる存在となる。

「相手が強ければ強いほど燃えますし、自信もあります。昨年、ヨーロッパ遠征でチェコと対戦した時はディナイが厳しく、パッシングが全然できませんでしたので、そういう時こそ自分の1on1の技術を出していって打開していきたいです。チェコ戦は速攻からどんどんダンクを決められ、遊ばれてるような状況でしたが、その中でも日本の良いところも出せていました。その部分を40分間継続できれば、勝機は見出せると思っています」

日本のエースである比江島 慎選手は、相手が強ければ強いほど燃えるタイプ
日本のエースである比江島 慎選手は、相手が強ければ強いほど燃えるタイプ

 ヨーロッパ遠征でのチェコ戦は71-86で敗れているが、アメリカ修業から帰ってきたばかりの比江島選手は本調子にはほど遠かった。しっかり準備して臨むことができれば、期待値も高くなる。
 しかし、FIBA ASIA 選手権でも3戦目まではポイントガードとして考えすぎて活躍できずにいた比江島選手。FIBA男子オリンピック世界最終予選出場は予選ラウンドの2試合で敗れれば、終わってしまう。スロースターターなところが不安要素でもある。

「そうなんですよね。早く慣れるというか、最後の最後に合わせるタイプなので、今回は7月開催というのは自分も心配ですけど……やるしかないです」

 強い相手しかいない「FIBA男子オリンピック世界最終予選」では、オリンピックへ近づく活躍が期待される。

比江島 慎

  • 1990年8月11日生
  • 190cm/88kg/ポイントガード
  • 福岡県出身
  • 福岡市立百道中学校~洛南高校~アイシンシーホース三河
  • 平成28年度男子日本代表候補選手
  • 平成27年度男子日本代表選手(第28回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成26年度男子日本代表選手(第17回アジア競技大会 出場)
  • 平成25年度男子日本代表選手(第27回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成25年度男子ユニバーシアード日本代表選手(第6回東アジア競技大会 出場)
  • 平成24年度男子日本代表選手(第4回FIBA ASIAカップ 出場)
  • 平成24年度男子ユニバーシアード日本代表選手(第26回ユニバーシアード競技大会 出場)
  • 平成20年度男子U-18日本代表選手(第20回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会 出場)