向上するための光は見えている〈男子日本代表 比江島慎選手〉

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 前回大会となる2015年はアジア4位へと導き、「FIBAオリンピック世界最終予選」の出場権を勝ち獲った日本のエース、比江島 慎選手。平均27分出場15.9点だった前回大会と比較し、「FIBA ASIAカップ2017」での出場時間は平均21分、平均10.8点と下回っている。だが、フリオ・ラマスヘッドコーチはチーム力で戦うことを重んじており、今大会ではタイムシェアをしていた。平均10.8点は、立派にチームハイの活躍である。

 だが、ベスト8決定戦で68-81と苦汁をなめられた韓国戦は、ドライブでアタックする積極性を見せる一方で、パスに切り替えたときにターンオーバーが目立ってしまった。「韓国は読みが良いディフェンスをしていたので、そこを早くに見極めて最後のフィニッシュまで行けるところも何度かあったと思います。確かにターンオーバーが多く、途中で人任せになってしまったプレイになってしまいました」と振り返る。

 エースゆえにマークは厳しくなり、周りにノーマークができる分、パスすることで得点チャンスは広がる。しかし、韓国戦でターンオーバーをした場面は自身が認めるように、人任せであった。ブロックされてでも最後まで責任を持ってアタックしてほしい、比江島選手に対する期待は自ずと高くなる。
「(フリオ)ラマスヘッドコーチは『ペイント内にドライブをして展開しろ』と言われていたので、そこを意識し過ぎてしまった部分があったかもしれません。もっとシンプルにやっても良かったと思いますし、もっと(ディフェンスを)見極めてプレイできれば良かったです」

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 新体制となり、新たなシステムに取り組み始めたばかりであり、ラマスヘッドコーチが求める動きをなぞることを優先してしまった。「確かに最初は考えてしまってる部分がありました。ルカ(パヴィチェヴィッチ)コーチとも違うバスケットをしています。それでも韓国のディフェンスの方が一枚上手だったのは事実です。もし、韓国が同じ状況でも息を合わせてプレイしてくると思います」
 個のレベルで韓国との差を感じさせられる悔しい敗戦となった。

 ラマスヘッドコーチが求めるオフェンススタイルは、「一人がボールを保持するのをとても嫌います。早いパス回しやピックをかけてもしっかりと展開して、何回もピック&ロールを仕掛けてノーマークを作り、良い状態でシュートを打つ」こと。それが機能したのが87-49と快勝したチャイニーズ・タイペイ戦であり、逆にボールを動かせなかったのが韓国戦であった。

 「速い展開をラマスヘッドコーチも臨んでおり、良いディフェンスからリバウンドを取って流れの流れで攻められた時は良かったと思います。しかし韓国戦は相手にシュートを決められて、しっかりセットしてオフェンスをしなければならない時が攻めづらかったです。韓国のゾーンディフェンスは広く守られ、もう少し自分がボールを受けてドライブしてディフェンスを収縮させれば良かったです。また、オーストラリア戦の後半ように全部スイッチされたことでパスが回しずらかった場面もありました。そこもドライブして打開していくべきだったかなと今となっては思います」

 前回は4位となって世界への扉を開いたが、大会フォーマットが変更となった今回より、FIBAワールドカップの出場権を懸けたアジア予選は今年11月からホーム&アウェーで行われる。先があることでモチベーションが見出せなかったとも考えられるが、「そんな意識はない」と即答している。「やるからには最後まで戦いたかった。もう一度、オーストラリアと戦いたかった。ラマスヘッドコーチが来たばかりなので1試合1試合が大事であり、1試合でも多くやることが成長につながるとも思っていました」と悔やんでいた。
 「アジアでベスト8にも入れないなんて話にならないです」

 FIBAワールドカップ、そして東京オリンピック出場に向けて危機感を募らせている。幸い、この結果に左右されることなく、FIBAワールドカップ アジア地区 1次予選は予定通り11月24日(金)に、駒沢体育館にて行われるフィリピン戦からスタートする。
「ラマスヘッドコーチのバスケットを徹底できれば、必ず向上するという光は見えています。世界的にも有名なヘッドコーチに指揮してもらえて光栄ですし、そこを信じて僕らは戦っていくだけです。もっともっと精度を高めていけば、絶対に勝てます」

 「FIBA ASIAカップ2017」で早々に敗退したことで生じたファンの信頼を回復をするためにも勝つしかない。

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比江島 慎

  • 1990年8月11日生
  • 190cm/88kg/シューティングガード
  • 福岡県出身
  • 福岡市立百道中学校~洛南高校~青山学院大学~シーホース三河
  • 平成29年度男子日本代表選手 (FIBA ASIAカップ2017 出場)
  • 平成28年度男子日本代表選手 (2016 FIBA ASIAチャレンジ 出場)
  • 平成28年度男子日本代表選手 (FIBA男子オリンピック世界最終予選 出場)
  • 平成27年度男子日本代表選手 (第28回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成26年度男子日本代表選手 (第17回アジア競技大会 出場)
  • 平成25年度男子日本代表選手 (第27回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成24年度男子日本代表選手 (第4回FIBA ASIAカップ 出場)
  • 平成24年度男子ユニバーシアード日本代表選手 (第26回ユニバーシアード競技大会 出場)
  • 平成20年度男子U-18日本代表選手 (第20回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会 出場)