“ビビった”原因は勘違い〈男子日本代表 馬場雄大選手〉

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 2017年2月、イラン代表を迎えて行われた国際強化試合で、筑波大学3年生の馬場 雄大選手が日本代表デビューを飾った。その後、6月の東アジア選手権では毎試合ダンクシュートを決めて会場を沸かせる。だが、真剣勝負となった「FIBA ASIAカップ2017」ではこれまでの勢いを見られずに、馬場選手らしさは影を潜めてしまった。

「今大会は自分との戦いでした。プレイタイムがもらえずに、何をすれば良いのかと自分の中で考えてしまうこともあり、そこがコートにも少し出てしまったと思います。普段であればもっと思いきりできたプレイもあるのに、ミスを恐れ、交代されることを恐れて、ただパスを回してしまう僕じゃなくてもできるようなプレイを続けてしまっていました。考えさせられる大会でもありました。最後の韓国戦はせっかく出場機会をもらえたのに、何もプラスにすることもできませんでした。コートに出たら何かしら残したいと常に思っているのに、韓国戦は何も残せなかったのが本当に一番悔しいです」

 今大会は現在21歳の馬場選手と変わらぬ同世代の選手たちが実力を示していた。イラン#8 Behanam YAKHCHALI選手は平均16点を挙げた。韓国戦で#32 Jonghyum LEE選手には10点を許している。3年前の李相佰盃日韓学生バスケットボール競技大会、馬場選手自身は怪我で出られなかったが、「あの時はボコボコにやられました。身長が高いですが器用ですし、今後も日本のライバルになってくると感じました」とその脅威を再び目の前で見せつけられた。ニュージーランドは平均年齢23歳で臨み、しっかりベスト4入りを決めており、同世代の活躍に焦りを感じる。

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「同じ年代の選手たちが結果を残し、しっかりと代表として活躍していることを、日本の同世代の選手たちも意識しなければならないと感じました。目の前だけを見ているのではなく、もっと一人一人がオリンピックを目指し、世界と戦うという意欲を持って取り組んでいかなければなりません。それを最年少で選出していただいた今回、目で見て体感できたことで、あらためて険しい道のりであることも分かりました。でも、簡単な道ではないことは最初から分かっていたことです。これからもっと練習をして、次のFIBAワールドカップ アジア地区予選までにどれだけレベルアップできるかトライしていきたいです。すごく楽しい場所だということは感じることができました」

 順風満帆にきていた馬場選手にとって、向かい風にさらされた大会となった。これまでは能力重視のプレイでも通用する部分もあったが、乗り越えなければ前に進めないことを知れた大会でもあった。

「やっぱりコートに立つ以上は、もっと責任を持ってプレイしなければいけないと感じています。どうしても他の選手任せになってしまってパスを回してしまったり、自分が行ける場面でも行けなかったりして、気持ちの部分でもっと日本を代表してここにいるという自覚と責任をもっと持ってプレイしなければいけないと思います。プレイ的には、やっぱりまだまだ経験も足りないので、いろんな状況判断も経験からできてくることだと思うので、そこですね。ピック&ロールをはじめ、やらなければならないことは山ほどあります」

 大学に籍を置きながら、プロ選手となってB.LEAGUEに進むことを決め、アルバルク東京でのファーストシーズンが待っている。ラマスヘッドコーチには、「今まで何でも通用した部分もあったかと思うが、ここで得た経験を糧にしてさらに努力をしてほしい。この1年が重要になる」とアドバイスを受けた。

「結果としてはオリンピックから遠のいてしまいましたが、ラマスヘッドコーチになって取り組み始めていることに選手たち全員が手応えを感じています。11月のFIBAワールドカップ アジア地区予選までに細かい部分を詰めていけば、絶対に戦えると思っています。コーチが良いだけではダメですし、選手一人一人の自覚が本当に大切です。東京オリンピックに向けて、もっと一人一人が意識して戦っていかなければならないですし、それを引っ張っていける選手になれるように努力していきたいです」

 日本代表としてのキャリアはまだ始まったばかりである。今大会は「メンタル的にビビってしまっていた」ことでミスや交代させられることを恐れ、馬場選手らしくない消極的なプレイにつながっていた。
「(青山学院記念館で行われた強化試合での)ウルグアイ戦の時に、1回ミスをしたことで後半はプレイタイムがゼロでした。それがまたあるのかと思ったのでビビってました」

 そのウルグアイ戦後、初戦で出場機会がなかった小野 龍猛選手が、2戦目では先発出場したことに対して、「(ラマスヘッドコーチは)まだ選手のことを把握できていないので、試合の中でのプレイを見て分析しているところです。国際試合ではいろんなローテーションが必要になり、これは普通のことです」とコメントを残している。
 チームに合流して1週間ほどのラマスヘッドコーチにとってまだまだ分からないことばかりの時期であり、馬場選手が考えすぎていただけであった。すでに敗退した後ではあったが、遅ればせながらその旨を伝えると目を丸くする。次の瞬間、笑顔が戻った。

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馬場 雄大

  • 1995年11月7日生
  • 195cm/88kg/スモールフォワード
  • 富山県出身
  • 富山市立奥田中学校~富山第一高校~筑波大学~アルバルク東京
  • 平成29年度男子日本代表選手 (東アジアバスケットボール選手権大会2017、FIBA ASIAカップ2017 出場)
  • 平成27年男子ユニバーシアード日本代表選手 (第28回ユニバーシアード競技大会 出場)
  • 平成24年男子U18日本代表選手 (第22回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成23年男子U16日本代表選手 (第2回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会 出場)