やりきれたという実感と這い上がるしかない危機感 〈男子日本代表 竹内公輔選手〉

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 B.LEAGUE初代王者となった栃木ブレックスの一員として、長いシーズンを最後まで戦い抜いた竹内 公輔選手。休む間もなく東アジア選手権に出場し、選手の活躍効率を計測するEFFICIENCYは9.8で、コンディションが悪い中でもチームに貢献した。
 長い代表経験を生かし、フリオ・ラマスヘッドコーチとなった新生「AKATSUKI FIVE」男子日本代表チームでもリーダーシップを発揮。悔しい結果にも下を向くことなく、あえてポジティブな部分をフォーカスをする。

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 結果には全然満足していないですし悔しいですが、“やりきれたという実感”もあります。この結果に対し、周りの方から見れば、あまり出し切った感は伝わらないとは思います。それでも新しいチームになって間もないですし、通用するしないも含めて現時点での自分たちの力が分かりました。

 正味2週間ほどの短い準備期間でしたが、ある程度は持てる力を出して戦うことはできましたし、学んだことの7割くらいは実戦で出すことができたと思っています。それでも結果が出なかったことで、これからやるべきことも明確になりました。だからこそ、この結果をしっかりと受け止めて這い上がるしかありません。ラマスヘッドコーチのバスケットをもっともっと吸収していく必要があります。これまでの日本は絶対値が低かったので、世界レベルを目指して基準を上げていかなければならないですし、そのためにも“個々の能力を上げていく必要”があります。

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 ここから下がることなく、今後の合宿から上を向いて、まずはFIBAワールドカップ出場を目指していかなければなりません。もちろん、そんな甘い道のりではないことも分かっています。韓国戦の翌日、選手だけでもう一度映像を見ながらミーティングをしましたが、その時に誰も下向くことなく次に向かっていました。これからもっともっと上げていきたいです。

 初めてオーストラリアと対戦しましたが、正直言ってもっと大差がつくと思っていました。サイズがあり、身体も強いことは分かっており、それをどこでカバーするかと思って臨んだのですが、もっとリバウンドなどインサイドで頑張らなければならなかったと個人的に反省点はあります。アジアにオーストラリアとニュージーランドが入ってきたことで、これからさらに厳しい戦いになります。しかし、これまで親善試合などでしか戦えなかった2チームと公式戦で戦えるのは良いことですし、自分たちにとってのレベルアップできる場でもあります。アジアの中で勝ち上がることは難しくなりますが、僕はプラスに捉えたいです。

 コンディションに関して、東アジア選手権の時は正直言って厳しかったです。その後にオフがあったおかげで、リーグ戦の身体の疲れに関しては2週間もあれば取ることができます。でも、メンタルの疲れを取るのに時間がかかりました。栃木(ブレックス)は熱心のファンばかりですし、その人たちの期待に応えられなかったらどうしようという思いが、ずっとシーズン中は続いていました。そこから解放されて、今度は日本代表として再び気持ちを作るのに、ちょっと時間がかかることが今回改めて分かりました。日本代表はもっと期待されているわけだから、もっと頑張らないといけないのですが、そのメンタルを整えるのに時間がかかってしまいました。ファンのためにも、“全力を出せるゲームを毎試合しなければいけない責任”があるということを改めて感じています。

 昨年末から新体制となったことで、いろんな発見がありました。これまでヨーロッパとアメリカのコーチの下で教わる機会はありましたが、ラマスヘッドコーチはアルゼンチン出身であり、南米のバスケットなんて触れたこともありませんでした。いろんな発見があった1ヶ月半だったと思います。また、トレーニングスタッフが阿部(勝彦)さんや(佐藤)晃一さんが来てくれて、いろんなアプローチの仕方があり、そこも新たな発見がありました。自分も結構なおっさんになりましたが、“技術は伸びると信じています”。今まで教わったいろんなことを自分の中で取捨選択し、コーチと相談しながらワークアウトするのが今から楽しみです。

 2020年東京オリンピックで世界のトップクラスと試合ができることは素晴らしいことですが、選手たちはその先を見据えて努力していかなければなりません。東京オリンピックが来ることばかりにフォーカスされていますが、その後の方が大事ですし、それまでの過程で何を得られるかを求めていく必要があります。自分も若い頃に、2006年に日本で開催されたFIBA世界選手権(現:FIBAワールドカップ)に出たことで得るものは多くありました。東京オリンピックに出場することはすごく大事ですが出ることだけが目標ではなく、その場に立った人が“日本のバスケットを変えていく”という気持ちが大事です。誰が選ばれようが、その気持ちを持っていてほしいと思います。

 もちろん東京オリンピックに出たい気持ちはありますが、誰が出ても悔しいという気持ちはないです。自分が若いときに出たFIBA世界選手権(2006年日本開催/現:FIBAワールドカップ)は、先輩たちにユニフォームを譲ってもらったという思いがあります。別に若い選手が選ばれても気にならないですし、その先につなげてほしいという思いの方がすごく強くあります。その時に自分のパフォーマンスが全然上がっていないにも関わらず、もし選ばれてしまったとしたら辞退する気持ちもあります。なんにせよ、“誰が出ても日本のバスケットのためにも、その先につなげてもらいたい”です。

 女子がすごく頑張ってアジアチャンピオンになっています。“男子はもっと危機感を持って、この3ヶ月を取り組まなければなりません”

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竹内 公輔

  • 1985年1月29日生
  • 206cm/98kg/センター
  • 大阪府出身
  • 洛南高校~慶應義塾大学~アイシンシーホース~トヨタ自動車アルバルク~広島ドラゴンフライズ~栃木ブレックス
  • 平成29年度男子日本代表選手 (FIBA ASIAカップ2017 出場)
  • 平成28年度男子日本代表選手 (FIBA男子オリンピック世界最終予選 出場)
  • 平成26年度男子日本代表選手 (第17回アジア競技大会 出場)
  • 平成25年度男子日本代表選手 (第27回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成24年度男子日本代表選手 (第4回FIBA ASIAカップ 出場)
  • 平成23年度男子日本代表選手 (第26回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成22年度男子日本代表選手 (第16回アジア競技大会 出場)
  • 平成21年度男子日本代表選手 (第25回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成19年度男子日本代表選手 (第24回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成19年度男子ユニバーシアード日本代表選手 (第24回ユニバーシアード競技大会 出場)
  • 平成18年度男子日本代表選手 (第15回FIBA バスケットボール世界選手権大会 出場)
  • 平成17年度男子日本代表選手 (第23回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成16年度男子日本代表選手 (第1回スタンコビッチカップ 出場)