勢いづけたシューター陣 〈女子日本代表 栗原 三佳選手/近藤 楓選手〉

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 「アカツキファイブ」女子日本代表チームがオリンピックで勝つためにも、3Pシュートが生命線となる。
 ベラルーシとの開幕戦。開始3分23秒、打った瞬間は「どうかな?」と思った3Pシュートがネットを通過。続けて4分11秒に2本目を決めた。その後の#7栗原 三佳選手は、「力むことなくシュートが打てました」と話すとおり、終わってみれば3Pシュート6本を決め、20点を挙げている。77-73と苦しい試合となったが勝ち切ることができた。日本の武器である3Pシュートを炸裂させた#7栗原選手がチームを勢いづける。続く2戦目は82-66、地元・ブラジルを相手に16点差をつけて快勝した。「第2ピリオドでリバウンドとルーズボールを頑張ったことで、相手の流れを止めて日本が走ることができ、日本のリズムを作ることができました」と勝因を挙げている。

 ブラジル戦は3Pシュート4本を決めて12得点。さらに8リバウンドを取って勝利に貢献している。オリンピックを通じて、リバウンドを取るシーンが目立っていた。勝ちゲームだったとみんなが悔やんだオーストラリア戦でも、大きな相手に7リバウンドを獲得。「リバウンド、ルーズボールを負けずに、そこから日本の流れを作っていきたい」と話すとおり、リバウンドで流れを作り、平均5本を取った栗原選手は、渡嘉敷 来夢選手に続くチーム2番目のリバウンド数だ。

 3Pシュートが不発に終わったのは予選ラウンド最終戦のフランス戦のみ。フェイスガードされ、ボールを持ってもファウルされ、シュートチャンスを与えてくれなかった。15点差で日本が勝てば、フランスを抜いて2位通過になるとあり、世界4位チームが必死になって#7栗原選手を守り抜いた。大会前、「すごいハードに守ってきたら、世界に警戒される選手だと思われることはすごいうれしいこと」と言っていたが期待通りになった。栗原選手がおとりになるように、他の選手たちが3Pシュートを決め、チーム成功数は8本。15点差をつけることはできなかったが、強豪フランスを79-71を下す。予選ラウンド3勝2敗、残念ながら得失点差で4位となったが、十分な成績を残すことはできた。

24本の3Pシュートを決めた栗原 三佳選手
24本の3Pシュートを決めた栗原 三佳選手

 決勝トーナメントへ進み、迎えた準々決勝アメリカ戦。5-7とリードされた開始2分14秒、栗原選手の3Pシュートが決まり、8-7とリードを奪う。第2ピリオドに入り、自力で勝るアメリカが二桁点差と引き離していった時、前半残り3分3秒で3本目の3Pシュートを決め、39-46。#12吉田 亜沙美選手が3Pシュートで続き、相手の裏のスペースへ走り込んだ#10渡嘉敷 来夢選手がノーマークでシュートを決め、44-46と2点差に迫った。アメリカ戦の一番見応えがあった場面だ。
「前半の終わりの部分で、相手に外角シュートを決められ始めてから中と外をバランス良く攻められました。そこから相手に主導権を握られてしまいました」
 世界1位の強さをまざまざと見せつけられ、気がつけば20点、30点と差をつけられていった。終わってみれば、64-110。栗原選手の独特な言い回しが、アメリカのすごさを物語っている。
「想像以上というか…何て言ったらいいかわかりませんが、スーパープレイヤーばかりなので(ここまでやられたのは)想定内といえば想定内ですし、想像以上と言えば想像以上。想像以上だったことが想定内でした」

 最後の試合は4本の3Pシュートを決め、12得点を挙げて二桁に乗せた。#12ダイアナ・トラーシ選手が手を伸ばしてチェックにきたのを、冷静にワンドリブルで交わし、ゆったりと3Pシュートを決めてみせる。そうかと思えば、ステップバックして華麗に3Pシュートを沈めていった。バリエーションを増やしてオリンピックに臨んだ栗原選手だが、大舞台を通じてさらなる進化を見せてくれた。長所を伸ばすことに専念し、頭の片隅に追いやっていたドライブだったが、今大会を通じて裏をかくように決めたのには驚かされた。

 6試合で放った3Pシュートは47本。「打った本数の半分以上は決めたい」と目標設定していたとおり、24本を決めて51.1%。全体の3Pシュート成功率は、1位のアメリカの#12ダイアナ・トラーシ選手(57.9%/33本)、2位のオーストラリアのレイラニ・ミッチェル選手(55.6%/15本)に次ぐ、世界3位につけた。成功本数で20本以上決めているのは、1位のダイアナ選手と栗原選手だけだ。

 栗原選手同様に、#4近藤 楓選手もシックスマンとしてコートに入った瞬間にシュートを決めて勢いづけてくれた。
 アメリカ戦では、第2ピリオド、#6間宮 佑佳選手からのパスを受け、コーナーから3Pシュートを決めた。「ナイスパスだったので、絶対に決めたいと思ってシュートを打ちました。入って良かったです」

 全6試合、平均出場時間は15.5分。それほどプレイタイムは長くなかったが、交代して早々にシュートを決め、予選ラウンド第4戦のオーストラリア戦を除く5試合で得点を挙げた。3Pシュート成功率は43.8%、これは全体で11位の成績である。
 今大会を通じて、「日本のスピードは本当に海外の選手が相手でもすごく通用しましたし、そこから自分たちのリズムを作ることができていました」と話す近藤選手は、自信につなげている。

 オリンピックを通じて進化を遂げた栗原選手と近藤選手は、高さある相手にもスピードと3Pシュートで打ち勝ってきた。
 Wリーグ開幕戦は10月8日。国内でさらなる躍動を見せるオリンピアンたちの活躍が、今から待ち遠しい。

シックスマンとして勢いづけた近藤 楓選手
シックスマンとして勢いづけた近藤 楓選手