4年後も楽しみな北海道トリオ〈女子日本代表 本川 紗奈生選手/町田 瑠唯選手/長岡 萌映子選手〉

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 強化合宿中に行われたメディア公開練習時から、北海道出身の3選手は揃って地元テレビ局や新聞社に引っ張りだこであった。
 2010年、札幌山の手高校時代に高校三冠を達成させた町田 瑠唯選手、本川 紗奈生選手、長岡 萌映子選手。当時から追いかけている北海道メディアは、オリンピアントリオを「バスケ3人娘」と紹介して盛り上げてくれた。

 先発を任された#14本川 紗奈生選手は、オリンピックの舞台でも日本の斬り込み隊長として躍動する。負けられないフランス戦、準々決勝・アメリカ戦では先制点を挙げ、チームを活気づけてくれた。バックアップガードとしてチームを引っ張った#13町田 瑠唯選手。惜敗したオーストラリア戦、第3ピリオド残り2分41秒にコートに入るとすぐさま得点し、アシストを次々と決めていき、第3ピリオドは全ての得点に絡んで71-59と引き離した。最年少の#11長岡 萌映子選手は、初戦のベラルーシ戦の終盤に貴重な3Pシュートを決めて快進撃を後押し。それぞれが役割に徹し、持てる力を存分に発揮した。

 アメリカ戦で12点を挙げた#14本川選手は、ドライブから体勢を崩しながらも次々とゴールをねじ込んでいく。4本放った2Pシュートは全て決めた。「思ったよりもアメリカ相手に自分たちのバスケットができましたし、まだまだやれるんだということを証明できたと思います。前半の戦いだけを見れば、次につながる試合ができました」と手応えを感じている。目標としていたメダルには届かなかったが、「オリンピック全体を通じて、チーム全員で1試合1試合しっかり戦うこともできました。どの試合も良いゲームができたことは満足しています」と充実した6試合であり、本川選手のプレイは世界でも十分に通用していた。

 オリンピック出場12チームの全ロスターの中で、162cmと一番小さな#13町田選手。大きなアメリカの選手たちは、これまで映像で見ていたのと同じ迫力あるプレイが目の前で繰り広げられ、「本当にすごかったです」と驚かされる。しかし、「前半のように、日本の走るバスケをどんどん出していければ良い試合はできていました。そこは自信を持っていいのかなと思います」と実際に対戦したことで、映像で見ていたスーパースターも同じ人間であり、付け入る隙もあることを少なからず知ることができた。クイックネスを生かして相手の足下を抜き去り、高いブロックをかいくぐってレイアップシュートを決める。「小さくてもできるということを見せつけたい」と話していた町田選手は、オリンピックの大舞台で世界に通用することを証明してくれた。

#13町田 瑠唯選手
#13町田 瑠唯選手

 3人の中では一番プレイタイムが少なかった#11長岡 萌映子選手だが、限られた時間の中でも「積極的に攻めることを意識していました」。21分、5得点を挙げたベラルーシ戦が、最もプレイタイムと得点が多かった。果敢に攻めたアメリカ戦は、何度もブロックに見舞われ、コートに叩き付けられる。しかし持てる力で挑まねば、世界のレベルを実感することはできない。後半に出番が回ってきた時には、すでにアメリカはトップギアを入れており、「本当にすごい」の一言で片付けるしかなかった。もう一つ驚かされたことは、「フォワードの選手の身長が自分と同じくらいだった」ことだ。#7マヤ・ムーア選手や#5シモーン・オーガスタス選手は183cmであり、長岡選手と高さは遜色ない。世界No.1チームと対戦したことで、4年後の東京オリンピックへ向けた目標が定まる。
「アメリカの選手たちはどんなシュートも、どんな体勢でも決めてきます。シュートを打つべきなのか、どんなシュートを打てば良いかを分かって動いていました。最高峰の選手たちなのでどこまで追いつけるかは分からないですけど、この人たちを目標にして今後もやっていきたいというモチベーションになりました」

 厳しい練習とともに、足底の怪我の痛みに耐えながらオリンピックへ向けて準備をしてきた#14本川選手。「今の自分の限界をリオで出していきたいです。そして、東京オリンピックの時はもっとレベルアップさせ、プレイスタイルも変わってないといけません」と大会前に話している。平均21.1分を与えられ、世界における自分のレベルを初めて知ることができた。後半に引き離されたアメリカ戦では、「相手がアジャストしてきた時に、自分たちがどう攻めるのかを考えなければいけないです」と述べ、「勝てるゲームを勝ち切れなかったのは悔しいです」と、ロンドンオリンピック銅メダリストのオーストラリアを慌てさせた試合を振り返る。

 12人しかオリンピックのコートに立つことはできない。「この経験を生かさなければ意味がないので、今回学んだことをリーグ戦から発揮していき、コーチからも選手からも信頼される選手になりたいです」と#13町田選手は気合いを入れ直す。また、「3Pシュートやジャンプシュートの確率を上げることやドライブに行った後のシュートを工夫したり、シュー トフェイクからのアシストだったり、もっと勉強していかなければなりません」とさらなるレベルアップに向けて課題も見つかった。

 3番ポジションとして磨きをかけていくとともに、「この結果を超えることが自分たちの使命」と#11長岡選手は誓う。4年後は26歳になり、「自分が先頭に立って引っ張っていかなければいけない」と自覚を持っている。12人中、2度目のオリンピックに出場できる選手が何人いるかは予想もつかない。だが、リオで悔しい思いをした選手たちがリーダーシップを持ってチームを引っ張り、目標に届かなかったメダルへの挑戦を今後も継続させていく。

#11長岡 萌映子選手
#11長岡 萌映子選手