女子日本代表:ヨーロッパ遠征で成果が見えたリバウンドと新たなる課題克服に向け、6月18日より第4次強化合宿がスタート

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 6月13日(火)にヨーロッパ遠征から帰国したばかりの「AKATSUKI FIVE」平成29年度バスケットボール女子日本代表チームは、束の間のオフを終えた6月18日(日)より第4次強化合宿をスタート。7月23日(日)にインド・バンガロールにて開幕する「FIBA女子アジアカップ2017」まで、あと1ヶ月余りとなりました。ヨーロッパ遠征で浮き彫りになった課題を克服するとともに、トム・ホーバスヘッドコーチは今合宿中に最終メンバー12名を選出することを明言しており、生き残りを懸けた競争が行われています。

 身長が低い日本にとって大きな課題であるリバウンド。ホーバスヘッドコーチは身体をぶつけることを厭わずに、ボックスアウトをすることを徹底しています。宮澤 夕貴選手は「リバウンドの意識が変わりました」と実感していました。「これまではボールを弾いてマイボールにすることを意識してきましたが、ヘッドコーチはボックスアウトを徹底するように言っています。フィジカルの部分でも負けずに抑えようという点がこれまでと違います。大きい相手なので仕方ないと思っていた部分を徹底させてきたことで、リバウンドが獲れるということもこの遠征で分かりました」と改善が見られています。ホーバス ヘッドコーチも「これまでよりもリバウンド数は増えてきています。セルビアとの最終戦では上回ることができました」と話しており、課題克服に向けて前進しています。

素直に聞く耳をもって調子を上げてきた宮澤 夕貴選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)
素直に聞く耳をもって調子を上げてきた宮澤 夕貴選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)

 一方、新たな課題になったのはトラベリングでした。「8試合で平均5回のトラベリングを取られました。キャッチからジャンプして1歩踏み出すことが大丈夫なのは日本だけです。それは日本の文化になってしまっていますが、国際ルールではありません。その対策のために、トラベリングをしないフットワークの基礎練習を増やしていますが、日本の文化から変えていかなければならない点です」とホーバスヘッドコーチは指摘します。国際経験が少ない選手が増えたこともその理由のひとつと考えられ、自身で気づくことが先決です。

 セルビアから帰国後、5日目には再び集合するタフなスケジュールであり、妥協を許さない厳しい練習が続いています。吉田 亜沙美キャプテンは、「若い選手たちも、この環境には徐々に慣れてきています。まだ足りない部分として、練習のときからもっとライバル意識を持ったり、バチバチやっても良いぐらいです。私や大﨑(佑圭)、髙田(真希)は相手が誰であってもぶつかっていったり、抜かれたら思いっきりファウルすることも時にはあります。そういうチーム内の戦いが若い選手にはまだ感じられません。その意識が変わっていけば、チームのレベルももっと上がっていくので、そこをどうにかして変えていきたいです」と話していました。FIBA女子アジアカップ2017に出場メンバーをかけた合宿であり、必然的にチーム内の競争が激しくいくはずです。

 ヨーロッパ遠征前、「調子が上がっていない」とホーバス ヘッドコーチは話し、その度に宮澤選手に檄を飛ばしてきました。「ヨーロッパ遠征で少し手応えを感じることができ、シュート感覚もそうですが調子が戻ってきました」と表情も明るくなった印象を受けています。その理由の一つとして、「ずっと練習を継続してきたことでコンディションが上がっています」。もう一つは、「期待されているからこそ怒られるわけですし、それはちゃんと理解しています。素直に受け止めなかったら先にも進めません。内心では悔しい思いもありますが、前を向いてやっています」というメンタルの強さでした。

 向上するためには「素直に聞く耳を持つことが大事」と宮澤選手は強調します。それは2年前のシーズン中、ホーバスヘッドコーチ(当時、JX-ENEOSサンフラワーズ アシスタントコーチ)から期待を込めて叱責された宮澤選手でしたが、その時は落ち込んだまま調子を上向くことができずにシーズンを終えてしまったことを後悔しました。「今でも気持ちが落ちることはありますが、そのままずっといることは2年前のこともあったので、自分の中ではもうやめました。絶対にいつか這い上がることができるという自信が今ではあります」と話しており、これまでの経験を生かし、今年は焦ることなく自分のプレイを取り戻すことに成功しています。

 今合宿中には、今年4月に行われた全米大学選手権(女子NCAAトーナメント)を制したサウスカロライナ大学が来日し、実戦を通した強化が行います。(※非公開)
 さらに、7月8日(土)・9日(日)の2日間、ウイングアリーナ刈谷(愛知県刈谷市)にて、「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2017 三井不動産カップ」を開催します。身長高いオランダ代表を相手に、これまでの強化合宿の成果を試します。3連覇を目指すFIBA女子アジアカップ前、最後の強化試合となります。また、壮行試合でもありますので、ぜひ会場にお越しいただき、選手たちにパワーを送ってください。

身体を当てることを厭わずにボックスアウトを徹底させたことで成果が見られ始めたリバウンド
身体を当てることを厭わずにボックスアウトを徹底させたことで成果が見られ始めたリバウンド