コンマ数秒でも、より速く 〈女子日本代表候補 山本 千夏選手〉

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 昨年の第26回FIBA ASIA 女子バスケットボール選手権大会では、予選ラウンド4試合目の中国戦から先発を任された山本 千夏選手。シューターの山本選手に期待されるのは、やはり3Pシュート。大会中は34本打って12本を決めており、これはチームトップの成績。しかしリオへ向けた強化合宿がスタートし、山本選手は焦りを見せている。

「アジア予選でも3Pシュートが入ったのは、結局最後の方だけでしたし、Wリーグ戦中もそれほど調子は良くありませんでした…」

「もっとスピードを速くできる」と感じ、これまで以上にクイックモーションでシュートを放つ
「もっとスピードを速くできる」と感じ、これまで以上にクイックモーションでシュートを放つ

 昨シーズンのWリーグのプレーオフ・ファイナル第2戦。8連覇を果たしたJX−ENEOSサンフラワーズを相手に、7本の3Pシュートを決め、28得点と一矢を報いた山本選手の活躍は記憶に新しい。しかし、昨シーズン全体を振り返ると3Pシュート成功率は30.3%、リーグ全体でも15位と確かにシューターとしては物足りない。一昨年前の2014-2015シーズンの41%と比較すれば、その差は歴然である。

「勝負どころでの3Pシュートが決まるかどうかがメダル獲得への分かれ目」と川淵 三郎会長からも、シューターへの期待は高い。「シュート打たずにゴール無し。2~3本外してしまうと躊躇してしまうが、気にするな」と精神的な強さも求めていた。日本代表として3年目を迎えた山本選手は焦りはあるものの、「これまでは遠慮しているところが結構ありました。でも、今年は周りを気にすることなく打てています」と精神面の強さは見せていた。足りない部分は「技術面」と言う。

 2014年、初めて日本代表メンバーに名を連ねたとき、第17回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会に出場した。しかし、コートに立ったのは予選ラウンド3戦目、最後の試合となったブラジル戦での53秒のみ。ベンチにはいたが、世界のトップ選手たちと対峙した経験値がほぼゼロに等しいことも焦りにつながっている。その不安を払拭させるためには技術を向上させ、競争に打つ勝つべく、「もう少しシュートモーションを早くするよう、練習中から意識しています」と目的を持って練習に臨む。

 昨年のFIBA ASIA選手権前も、ボールをもらってからシュートを放つまでのシュートモーションを早くすることを心がけていた。
「Wリーグ終盤頃になり、もう少し早く打てるなという感じをつかむことができました。Wリーグ ファイナルの時は、相手に3Pシュートを警戒されて守られましたが、それでもシュートを打つことはできていました。もっとスピードを速くできると感じています」
 オリンピックで目の前に立ちはだかる大きな相手を想定し、長い手が伸びてくるよりも速くクイックモーションで3Pシュートを狙う。

「このチームの力になるために、ディフェンスは全員がやらなければいけないことですが、自分ができることはやっぱりシュートの確率を上げること。相手に分析されている状況でも、しっかりシュートを打てる選手になりたい。だからこそ、シュートモーションの速さを極めないといけないんです」

 「メダルへの挑戦!」を目標に掲げ、合宿初日からハードワークを行なっている女子日本代表チーム。コンマ数秒でも、山本選手のシュートモーションが速くなることで、メダル獲得の目標に近づく。そう信じて長所を伸ばし、レベルアップを図っているのは、合宿に呼ばれた候補選手18名全員が同じである。

 選手であれば誰もが夢見るオリンピックのコートに立てるのは、たった12名。必然的に6名はメンバーから外れる。
「もちろん危機感はありますが、これまで以上に良い方向に意識を持てています。今までであれば、『メンバーに残りたい』という思いがまず強かった。もちろん今年も12名に残らなければならないという焦りもあります。でも、それ以上に日本がメダルを獲るためにも『このチームで活躍したい』という気持ちが強く、高いモチベーションを持って練習に臨めています」

シュートモーションも、速攻で一番前へ走ることも、全ての速さで世界を上回り、メダルを目指す
シュートモーションも、速攻でも、全ての速さで世界を上回り、メダルを目指す


山本 千夏

  • 1991年8月12日生
  • 176cm/68kg/スモールフォワード
  • 千葉県出身
  • 東京成徳大学中学校~東京成徳大学高校~富士通 レッドウェーブ
  • 平成28年度女子日本代表候補選手
  • 平成27年度女子日本代表選手(第26回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成26年度女子日本代表選手(第17回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会 出場)
  • 平成20年度女子U-18日本代表選手(第19回FIBA ASIA U-18女子バスケットボール選手権大会 出場)