バスケをメジャーにするチャンス 〈女子日本代表候補 髙田 真希選手〉

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 「メダルへの挑戦」をチームスローガンに掲げた、平成28年度女子日本代表チームのリオへ向けた強化が始まった。
 2004年ギリシャ・アテネ大会以来、3大会ぶりのオリンピック出場であり、過去3大会出場した中で1976年カナダ・モントリオール大会の5位が最高位の日本にとって、メダル獲得は容易ではない。そんな中、髙田 真希選手(デンソー アイリス)は、「オリンピックがどういうところか知らないことを強みにすれば、逆に自分たちのバスケットが出せるのではないか」とポジティブに捉える。

 昨年のアジア予選で優勝し、帰国直後に川淵 三郎会長から「メダルを狙え」と激励を受けた。実は、オリンピック出場を決めた直後、すでに吉田 亜沙美キャプテンは喜びの声とともにメダルに目標を定めるコメントを残している。
「オリンピックでは、いろんな選手と戦える楽しさがあると思います。それでも、やっぱりメダルを獲れる位置までこのチームはきていると思うので、 せっかくチャンスを掴んだわけですから、高い目標を持ってリオにいきたいです」

予想以上に初日からハードな練習となったが、それこそがメダルへの挑戦である
予想以上に初日からハードな練習となったが、それこそがメダルへの挑戦である

 メダルに近づくため、初日の練習から「本当にハードでした。思っていた以上に練習したな、と感じました。とにかく走るメニューが多かったです」とその激しい様子を振り返る髙田選手だが、心身ともに万全な状態で合宿に臨んでいる。
「目標である“メダルへの挑戦”に対する覚悟や意気込みはみんなから感じますし、自分自身も強い気持ちを持って合宿に入りました」

 しかし、予想以上に初日の練習はハードで、「最初から結構飛ばしていますね」と苦笑い。覚悟を決めてきた以上、「でも、それくらいやらなければ世界との差は縮まりませんので、やるしかないです」

 目標に向け、一人ひとりのレベルアップがカギとなる。髙田選手の役割は昨年と変わらず、「まずは自分の役割を徹底していくこと。より確率や精度を高めていけるように、練習や練習試合でどれだけパフォーマンスを高められるかどうかが重要になってきます」とパワーフォワードとしてやるべきことは明確だ。昨年同様、もう一つ大きな役割がある。

「タクがいない期間に、そのポジションを埋めていかなければ、スタッフ陣が試すフォーメーションが使えるかどうかというイメージがわきません。そこをハッキリさせるためにも、タクがいない期間は自分が埋めなければならず、その役割も含めて昨年と変わらないです」

 タクとは、第1次強化合宿の途中でチームを離れ、2年目のWNBA(シアトル・ストーム)に参戦する渡嘉敷 来夢選手だ。193cmのエースがこのチームには欠かせない存在である。そのエースをしっかり機能させるためにも、留守にしている間は髙田選手が代わりを務め、日本の方向性を定めていく。もちろん、高田選手も内海 知秀ヘッドコーチが信頼するチームの軸となる選手の一人と明言している。

 オリンピック出場が決まった女子日本代表チームに対し、大きな期待が寄せられている。それは、最初のメディア公開練習時に見て取れ、史上最多となる110名強の報道陣が集まり、体育館は熱気で騒然としていた。
 「今までに感じたことがない期待が感じられ、バスケットにとって、本当にチャンスだと思っています。自分たちがしっかり結果を残して、ファンの皆さんの期待に応えられるように頑張っていきたいです」と髙田選手もその思いをしっかと受け止めている。

 2年前(2014年)、FIBA世界選手権へ向けて合宿を行なっていた時、味の素ナショナルトレーニングセンターの2階の窓から目の前にある西が丘サッカー場を髙田選手と間宮 佑圭選手は見下ろしていた。そこではサッカー・なでしこリーグのオールスターゲームが華々しく行われており、観客席は埋まっていた。
「バスケットもあれくらい盛り上がらないかな」「一度でも見てくれたら本当におもしろいスポーツなのに…」と、暗い通路からまばゆい女子サッカー選手たちを眺めながら嘆く2人。だからこそ勝たねばならず、勝ってバスケットをメジャーにする思いは誰よりも強い。

 しかし、オリンピックで勝つことは並大抵なことではない。ハードな練習もさることながら、5月に国内で行われるオーストラリア代表戦をはじめ、数多く組まれている強豪国との練習試合もしっかりと勝ちにいかねばならない。

「どの練習試合も自分たちにとっては大事な試合です。そこは勝ちにいきます。それによって、何をしなければいけないかが見えてくると思います。試合毎に課題をクリアし、大切に戦っていかなければ、オリンピックで自分たちの力を発揮できません。練習試合でも本番と同じイメージ や入り方をしてやるかどうかで、大きく違ってくるはずです」

 それは練習時から同じであり、「いざ、本番になって自分たちのプレイが出せなかったら後悔してしまいます。練習試合も多く組まれているので、 しっかりイメージをつけていくことが大事になります」と気を引き締め、高みを目指す厳しい練習は続く。

練習中から本番を想定し、まだ見ぬオリンピックの舞台へ準備を重ねる
練習中から本番を想定し、まだ見ぬオリンピックの舞台へ準備を重ねる


髙田 真希

  • 1989年8月23日生
  • 183cm/78kg/パワーフォワード
  • 愛知県出身
  • 豊橋北部中学校~桜花学園高校~デンソーアイリス
  • 平成28年度女子日本代表候補選手
  • 平成27年度女子日本代表選手(第28回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成26年度女子日本代表選手(第17回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会 出場)
  • 平成24年度女子日本代表選手(FIBA女子オリンピック世界最終予選 出場)
  • 平成23年度女子日本代表選手(第24回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権 出場)
  • 平成22年度女子日本代表選手(第16回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会、第16回アジア競技大会 出場)
  • 平成21年度女子日本代表選手(第23回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権 出場)