女子U-17日本代表:世界で勝つため、日本のスタイルを徹底強化

U17b2

 第1次強化合宿のカナダ遠征を3連勝で終えた平成28年度バスケットボール女子U-17日本代表チームは、4月25日(月)~27(水)の期間、第2次強化合宿を実施しました。
 6月22日(水)よりスペインで開幕する「2016 FIBA U-17女子バスケットボール世界選手権大会」の組み合わせも決まり、今合宿よりチームとして成長させる本格的な強化が始まりました。

3Pシューター須田 多恵選手(安城学園高校 3年)の課題はディフェンスと走力
3Pシューター須田 多恵選手(安城学園高校 3年)の課題はディフェンスと走力

 「休むな!走れ!!」林 慎一郎ヘッドコーチは、大きな声で選手たちに発破をかけます。24秒で攻守交代し、ドリブルせずにラグビーさながらボールを持ったまま48秒間、コート内を往復して走り続ける練習に肩で息する選手たち。休む間もなくディフェンスのフットワーク、フルコート1on1で足を止めずに動き回り、体をぶつけながらリバウンドを徹底させ、ハードな練習が続きます。

 「フルコートでディフェンスをし、前からプレッシャーをかけ続け、第4ピリオドまでに相手を疲れさせ、そこから日本はもう一度走ることができれば勝機も見えてきます。その日本のスタイルを選手たちに覚えてもらわなければなりません。国内では大きくて通用してしまう選手たちですが、世界では小さいのが現実です。選手全員がガードになるような気持ちで素早さを求めています」。林ヘッドコーチが徹底させていることは女子U-17日本代表チームに限らず、全カテゴリーが世界で勝つために取り組む日本のスタイルです。

 カナダ遠征で初めて海外のチームと対戦した須田 多恵選手(安城学園高校 3年)は、「ディフェンスはもっと強化しなければいけないと感じました。また、走ることも自分にはまだまだ足りない部分ですので、しっかり努力していきたいです」とやるべきことが明確になったようです。その上で、武器となる3Pシュートを決めて、練習中もチームに勢いを与えていました。

 昨年のアジア予選を経験している阿部 泉美選手(聖和学園高校 3年)は、「スピードを生かして攻めていますが、後半の疲れた時に自分たちの持ち味が出せなくなってしまいます。前半は調子が良くても後半になって得点が伸びなかったり、押さえられていた相手のシュートが決められてしまったところは課題です」と昨年のFIBA ASIA U-16選手権と同じ課題点を再認識させられました。スピードと持久力の向上こそが、日本のスタイルを貫くためにも必要であり、林ヘッドコーチは厳しい練習を課しているわけです。練習後、声にならないほど疲れていた阿部選手。一呼吸ついた後、「この練習を乗り越えなければ世界には勝てないので、頑張るしかありません」と力強く話してくれました。

世界で勝つため、きつい練習に耐える阿部 泉美選手(聖和学園高校 3年)
世界で勝つため、きつい練習に耐える阿部 泉美選手(聖和学園高校 3年)

「アカツキファイブ」女子日本代表にはコーリー・ゲインズ アドバイザリーコーチ(NBAフェニックス・サンズ)が来日し、レベルアップを図っています。同じように、女子U-17日本代表チームもカナダ遠征時に多くのアドバイスを与えてくれた名将の存在がありました。元男子カナダ代表ヘッドコーチであり、1998年には日本リーグ時代の大和証券で指揮を執ったケン・シールズ氏。「カナダではケン・シールズさんがずっと付きっきりでいろんなことを教えてくださいました。この合宿中に行なったドリルやディフェンスもケンさんに教えてもらったものであり、これらを本番で使えるように練習しています。そこは非常に大きかったです」と林ヘッドコーチは感謝しており、コーチ陣にとっても刺激的なカナダ遠征となりました。

 FIBA U-17女子選手権の組み合わせはすでに決まり、対戦チームを想定しながら、大会直前(4月30日より第50回関東大学女子バスケットボール選手権記念大会が開幕)にも関わらず、東京医療保健大学に胸を借りてスクリメージを実施。
 林ヘッドコーチに対戦チームそれぞれの印象を伺いました。「ラトビアはヨーロッパ特有のピック&ロールを多用してくるチームであり、ナイジェリアは身体能力の高い選手たちがリバウンドを獲ってくるでしょう。カナダは前回もインサイドでやられてしまっているので、そこは警戒して強化しています」

 FIBA U-17女子世界選手権で勝つためには、「どのチームも大きいですしリバウンドも強い。結局、日本は世界と対戦するとセカンドショットでやられてしまうケースが多いです。そのためにもボックスアウトを徹底し、みんなでボールを取りに行かなければなりません。ただし、速さだけはどのチームにも負けないように意識づけしています」と林ヘッドコーチは話しており、選手たちにとってはきつい練習ですが、世界一の速さを求めて強化は続きます。
 次回は、5月16日(月)~18日(水)に第3次強化合宿が予定されています。

 熊本県で活躍する橋口 樹選手(熊本国府高校 2年)と永尾 信次アシスタントコーチ(熊本市立帯山中学校)は、「平成28年熊本地震」に遭われました。現在、橋口選手の熊本国府高校は避難所となり休校中。今合宿に元気な姿を見せてくれた橋口選手でしたが、永尾コーチは現場での対応があり熊本を離れることができず、選手、スタッフともに心配しています。

 「平成28年熊本地震」では、熊本県だけではなく大分県や福岡県など近隣地域を含め、多くのバスケットボールファミリーが被災し、今なおバスケットができない状況が続いています。
 当協会では現在、「JAPANGIVING」を通じて支援金募金活動を行なっています。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

元気に練習に励む橋口 樹選手(熊本国府高校2年/右)
元気に練習に励む橋口 樹選手(熊本国府高校2年/右)