有言実行で第一関門通過 〈女子日本代表候補 藤岡 麻菜美選手〉

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 2012年9月、2月に誕生日を迎える早生まれにより女子U-18日本代表に選出された藤岡 麻菜美選手は、こんなコメントを残している。
 「ロンドンオリンピックを見ながら4年後を考えた時に、日本代表に入っていてもおかしくはない年齢になってるし、4年後のオリンピックの舞台に立ちたいと思いました。これまでオリンピックは見て楽しめれば良いと思っていましたが、U-17日本代表で世界5位(2010年)になったことも少しは自信になっており、オリンピックに出たいという気持ちが芽生えました。U-17日本代表として一緒に戦ったあの時の仲間は、ほとんどが実業団(Wリーグ)に行きましたが、私は大学生からオリンピック選手に選ばれるという珍しいケースになりたいです。日本代表メンバー表の所属チームの欄に、実業団チームではなく『筑波大学』と載せたいです。そんな簡単な道ではないですよね」

 2016年3月9日、内海 知秀ヘッドコーチが、リオデジャネイロオリンピックへ向けた日本代表候補選手の名前を読み上げる。16番目には「藤岡 麻菜美」の名前があった。卒業間際のギリギリのタイミングではあったが、所属は「筑波大学 4年」、目標を現実のものにした。

 「大学に入学した当時は、Wリーグに入ることもあまり真剣に考えていませんでした。しかし、1年次のオールジャパンで富士通(レッドウェーブ)と対戦した時に競ることができ(2013年大会/準々決勝 ●68-76)、『自分でもできるんだ』という自信が芽生えました。Wリーグに行きたい気持ちとともに、オリンピックに出場したいという気持ちも強くなり、大学の環境だけに満足せず、本当に個人的にですが、Wリーグの選手たちを勝手にライバル視して練習していました」

 全国大会に無縁だった千葉英和高校を3年次にはインターハイ出場を叶え、筑波大学でも4年次に6年ぶりの日本一に導く原動力となった。今いる環境に合わせるのではなく、常に高い目標設定をして、自分なりに工夫をしながら努力し続けてきた証である。

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 これまで有言実行で手にしてきた藤岡選手だけに、意気揚々と日本代表合宿に臨んできたかと思いきや、「完全に雰囲気に飲まれていました。本当にここにいて良いのかとまで思ったほどです」と緊張していた。U-16日本代表からユニバーシアード日本代表まで、全アンダーカテゴリーで日の丸を背負ってきた国際経験を持ちながらも、「雰囲気というか、空気がこれまでのアンダーカテゴリーとは全く違いすぎて、ビックリしました」
 2~3日はその緊張が解けないまま自分のプレイも出せない状況が続く。「緊張していても意味がない」と自分に言い聞かせた。
 「18人の候補選手に選ばれたことは、内海(知秀)ヘッドコーチが今の日本代表にとって必要とされている何かを持っているからだと気持ちをあらため、思いきりやろうと意識を入れ替えました。3次合宿まではアピールできる機会があるので、第1次合宿では自分のプレイをみんなに分かってもらえるようにしよう、というスタンスで最後はできました」

 東京オリンピック開催が決まった時、他競技の若い選手たちはリオデジャネイロオリンピックをステップアップする場と公言していた。
 「飛び入りのような状況ですが、12人に絶対に入りたいです。2大会オリンピックに出場できる選手は希ですし、そこに名前を刻みたいです。東京オリンピックに出るためにも、やっぱりリオでしっかりと肌で感じることは絶対に違うはずです」
 声に力が入ると同時に、いても立ってもいられず身振り手振りが大きくなっていく。過去には大山妙子さん、永田睦子さん、小磯典子さんが1996年アトランタ大会と2004年アテネ大会の2大会に出場した経験を持つ。しかし、今年度の女子日本代表候補選手にはオリンピックに出場した選手はいない。

 昨年のユニバーシアード時、アンダーカテゴリーで師事を受けた萩原 美樹子ヘッドコーチから聞いたアトランタオリンピックでの体験話も、オリンピック欲に拍車をかけたようだ。
 「『オリンピックの開会式で行進する時、あのスタジアムに入った時の感動は今でも忘れられない。絶対に味わった方が良いよ』と言われた瞬間に、鳥肌が立ちました。『今までやってきた努力や練習が全て報われる感じがする』とも仰っていて、絶対に行きたいとあらためて思いました。東京にオリンピックが来るまで待ってられませんし、今、自分が目標としていたところにあと一歩のところまで届いています。あとは12名に残れるように、第2次合宿をまずは余裕を持ってプレイをできるように頑張りたいです」

 全てのバスケット選手が思い描く夢であり、一番高い目標設定に照準を合わせた藤岡選手。そして今、その夢や目標を叶えられる最前線まできている。

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藤岡 麻菜美

  • 1994年2月1日生
  • 169cm/59kg/ポイントガード
  • 千葉県出身
  • 千葉英和高校~筑波大学~JX-ENEOSサンフラワーズ
  • 平成28年度女子日本代表候補選手
  • 平成27年度女子ユニバーシアード日本代表選手(第28回ユニバーシアード競技大会 出場)
  • 平成27年度女子ヤング隼日本代表選手(第37回女子ウィリアム・ジョーンズカップ 出場)
  • 平成25年度女子U-19日本代表選手(第10回FIBA U-19女子バスケットボール世界選手権大会 出場)
  • 平成24年度女子U-18日本代表選手(第21回FIBA ASIA U-18女子バスケットボール選手権大会 出場)
  • 平成23年度女子U-18日本代表選手(第19回日・韓・中ジュニア交流競技会 出場)
  • 平成22年度女子U-17日本代表選手(第1回FIBA U-17女子バスケットボール世界選手権大会 出場)
  • 平成21年度女子U-16日本代表選手(第1回FIBA ASIA U-16女子バスケットボール選手権大会 出場)